フリーソフト・無料ソフトレビュー
インフォメーション
サイトマップ
PC初心者講座
ユーザレビュー
フリーソフトナヴィ
 フリーソフトナヴィはウイルス対策から動画編集まで無料で使えるフリーソフト、無料ソフトのリンク集と使い方の解説サイトです。

P2Pファイル共有ソフトの問題点

 本日偶然にもP2Pファイル共有ソフトLimeWireの配布差し止めを目の当たりにして突発的に記事を書いてみました。以前から国内でも問題になっていたP2Pファイル共有ソフトの仕組みや問題点、私の個人的な見解を掲載しています。
p2p-1.png(17473 byte)

 これはつい先ほどの話になりますが、いつも通りソフトウェアのバージョンアップチェックを専用のソフトウェアで行っていた時の事です。LimeWireの公式ページに変化があった為、バージョンアップがあったのかなと思いウェブブラウザでアクセス。

 するといつもとは違うページに違和感を覚えるも何らかの障害で一時的に利用出来ないのかなと、ボーと表示されている英文を機械翻訳を使いながら読んでみました。

 その内容を簡単に要約すると、「裁判所の命令によりファイル共有ソフトLimeWireの配布とサポートを停止する裁判所の公式通知」との事。この突然の通知に驚きネットで調べてみるも、まだ多くの情報は出回っておらず正確な情報はつかめていないのですが、どうやら全米レコード協会の請求のもと、米連邦裁判所がLimeWireの開発、配布を行っているLimeWire LLCに対してLimeWireの恒久的な配布、サポートの停止を命令した模様。

 どうしてこうなったかを想像するのは簡単で、LimeWireには著作権を侵害する音楽ファイルの他、映画やソフトウェア等が無断で複製され配布されており、LimeWireユーザーはそれら違法ファイルを容易に入手する事が出来た為、著作権者に対して甚大な被害を与えていたと考えられます。国内ではLimeWireと互換のあるCabosやWinny、Shareの利用者が多く、漫画雑誌の複製を無断でアップロードしたユーザーが逮捕される事例も何件か出ています。

P2Pファイル共有ソフトの仕組み

p2p-3.png(6922 byte)

 一般的にソフトウェア等をインターネット上から入手する場合、サーバーに置いてあるファイルデータにアクセスして自身のPCにダウンロードする訳ですが、多くの人がその一つのファイルにアクセスする事によってサーバーには大きな負荷が掛かる事になります。ウェブサイトでも多くの人が集中してアクセスするとサーバーの負荷によってページ表示が遅くなったり表示出来なくなりますよね。大規模なサイトであればそれに見合った負荷を分散する対策が取れれていますが、コストが高く付く事になります。

p2p-4.png(11892 byte)

 P2Pファイル共有ソフトはファイルを所有している一つのPCから一方的にファイルをダウンロードするのではなく、同一ファイルを所有しているユーザー同士でファイルを交換する仕組みになっています。多くのソフトは一つのファイルを複数のブロックに分け、自分の所有するブロックを所有していないユーザーにアップロードし、所有していないブロックを持っているユーザーを探しダウンロードします。この仕組みにより大元のファイル所有者だけに一方的に負荷をかける事なく、負荷を分散してファイルを共有する事が出来ます。

 P2Pファイル共有ソフトのメリットは上にも書いた通り特定のファイル所有者だけに負荷をかけず分散する事が出来る他、大容量のファイルを効率的にダウンロードする事ができ、更に大元のファイル所有者がファイルの共有を止めても、100%ダウンロードが完了しているファイルを共有しているユーザーがいる限りは、そのファイルを入手する事が可能です。

 逆にデメリットとして、共有数の少ないファイルは完全にダウンロードするのが難しく、一般的に24時間稼動しているサーバーと違い、ファイルの所有者がP2Pファイル共有クライアントソフトを起動していなければ、目的のファイルをダウンロードする事が出来ません。又、一定の匿名性がある為、ファイル名とは中身の違う偽装ファイルだったり悪意のある不正プログラムが仕込まれている危険もあります。

P2Pファイル共有ソフトは違法?

 以前から著作権法で権利者に対して無断で音楽や映像ファイルをアップロードしているユーザーのみが罰則の対象でしたが、2010年からは権利者に無断でアップロードされているファイルをダウンロードする事も違法になりました。しかしP2Pファイル共有ソフトを使用する事自体は違法では無く、著作権の存在しないファイル、又は不特定多数への自由な配布を認めているファイルは合法的にダウンロードする事が出来ます。

 しかし問題なのは国内で人気を集めるWinnyやShareのようなP2Pファイル共有ソフトは起動しているだけで中継の役割を果たす仕組みになっている為、目的としているファイル以外にユーザーが意図しないファイルまでダウンロードとアップロードを行ってしまいます。最悪、合法的に利用しているつもりでも違法ファイルのアップロードを手伝っている事になり、法的罰則が与えられる危険があります。

P2Pファイル共有ソフトに対する個人的な見解

 ご存知の方も多いとは思いますが以前から当サイトではP2Pファイル共有ソフトの紹介ページを掲載しており、一部の閲覧者の方に「止めるべきでは」といった指摘をいくつか受けています。私の個人的な見解を述べると今回のLimeWireの一件のようにP2Pファイル共有ソフトを締め出した所で、違法ファイルの拡散は収まる事はないでしょう。というのも、違法ファイルの配布は何もP2Pファイル共有ソフトだけで行われている訳では無く、主に海外のウェブサイトで堂々と配布されていたりします。

 又、仮にP2Pファイル共有ソフトの使用を完全に禁止した所で違法ファイルの配布場所が別の場所に移るだけの話しで根本的な解決に繋がる事は無いでしょう。P2Pファイル共有ソフトが目の敵にされるのは違法ファイルが大量に散乱している事実も一つにありますが、効率的に大容量ファイルをダウンロード出来る仕組みも大きいのかもしれません。しかし近年P2Pの技術は大容量の映像データを配信するソフトウェア等にも使われており、頭ごなしにP2Pを悪だと決め付けるような法律によってソフトウェアの技術開発の妨げにならなければいいのですが。

フリーソフトナヴィその他P2Pファイル共有ソフトの問題点